2015年3月29日(第2306)号

2306

介護保険料改定
高齢者に厳しい値上げ
最高額は横浜市の5990円
5000円台は16自治体

 4月に改定される65歳以上の介護保険料の見込み額(月額)について、県内の市町村に問い合わせたところ、約5割の自治体で基準額が5000円を超えることがわかりました。最高額は横浜市の5990円。すべての自治体で値上げされ、前回(2012年度~2014年度)に比べ、1000円以上値上げするのが2自治体、500円以上~1000円未満の値上げをするのは15自治体にのぼりました。

横須賀基地の銃器体験
平和・民主団体の代表
   検察審査会に申し立て

 米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)の一般公開で、海兵隊員が見学に訪れた子どもや市民に銃を持たせた事件―。銃刀法違反容疑で同基地司令官(当時)ら2人を刑事告発した、県内の平和民主団体の代表は3月20日、横浜地方検察庁の不起訴処分は不当だとして、横浜検察審査会に審査を申し立てました。

松尾鎌倉市長が不誠実団交
「組合と市が妥結した内容を」市議会の反対で反故に

最大で年間100万円以上の賃下げ
公務員攻撃第2弾は特殊勤務手当廃止
組合が県労委に救済申し立て

 松尾崇鎌倉市長が労使合意を一方的にやぶり、不誠実団交を積み重ねています。鎌倉市当局は、新たな人事・給与制度を導入し、職員給与の引き下げを実施。子育てや住宅ローンの支払いにお金のかかる40代、50代の給与は、10%から17・9%のカット。年間100万円以上の賃下げになる職員もいます。職員から「子どもに大学進学をあきらめてもらった」などの声があがっています。とりわけ不快な作業や危険な作業についている特殊勤務手当を全廃した問題では、鎌倉市職員労働組合現業評議会が、松尾市長などを相手に神奈川県労働委員会に救済を申し立てました。市当局と組合が妥結した給与内容の修正提案が市議会に出され、可決し、実施されるのは全国でも初めてのケース。全国的影響が懸念されています。

知事選挙
3月26日告示
4月12日投票

ディーセントワーク条例制定を-岡本

若者が立候補者に迫る
県知事候補の公開討論

 神奈川県知事選の立候補予定者が政策論争する公開討論会が3月20日、横浜市内で開かれました。主催は、日本青年会議所神奈川ブロック協議会で、「若者が立候補者に迫る」をテーマに、県内の学生2氏が候補者の岡本はじめ氏と黒岩祐治知事に質問をぶつける形で行なわれました。

 「若者の投票率の低さ」「選挙権年齢の引き下げ」「県としての教育政策」「県における就職」の4つのテーマで意見を交わしました。
 「若者の投票率」については、黒岩氏が「高校生など若い人との対話を進めてきた」と話したのに対し、岡本氏は「政治は変わらないという思いに対し、政治は変えられるということを訴えたい」と話しました。
 「選挙権年齢の引き下げ」について、黒岩氏は「素晴しいことで、(投票に)どっと来るのでは」と回答。
 これに対し、岡本氏は「18歳は当然。しかし、憲法を変える目くらましになることには注意しなくてはならない」と述べました。

少人数学級推進

-岡本
 「県の教育政策」については、黒岩氏は現代から過去にさかのぼる「逆さま歴史教育」を唱えました。
 岡本氏は「お金がないから進学を断念せざるをえない、ということはやめさせなければならない。少人数教育を進めたい」と言いました。
 「県における就職」について、黒岩氏が「特区による健康やロボット産業など新しい産業が生まれようとしている」と述べました。
 しかし、実際は「特区」づくりをすすめ、労働時間の規則を取り払って、自由に解雇できるようにしようとしています。
 岡本氏は「ディーセントワーク()条例をつくり、サービス残業やブラック企業を規制したい。公契約条例をつくり、時給を1000円、近い将来1500円まで上げ、職場と賃金を保障する神奈川にしたい」と主張しました。
 女性が働きやすい社会の実現のために、黒岩氏は「2018年までに待機児童をゼロにするために、地域限定保育士を養成し、年に2回試験をする」と言いました。
 岡本氏は「市町村と協力して認可保育園を増やす。女性が安心して働きながら子育てできる環境をつくる。県でも男性と同じくらいの割合になるよう女性を管理職に登用したい」と訴えました。
 最後に、「他にも防災、医療、事故が起これば巨大な災害を首都圏にもたらす原子力空母問題がある。医者にかかれない人がたくさんいる。子どもの医療費を中学生まで無料化し、65歳以上、収入の少ない人の医療費を無料化したい」と主張しました。
ディーセントワーク 人間らしい生活を継続的に営める労働条件のこと
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黒岩氏の公約違反など検証を

取材後記 青年会議所の主催のため、若者の問題を取りあげたのは理解できるが県政には他にも多くの深刻な問題があるので、触れてほしいと思いました。
 また、互いの主張を言うだけではなく、相互に質問を交わしてこそ「討論会」なのではないかと感じました。
 とくに、4年間の黒岩県政には朝日新聞が3回にわたって連載したような、「太陽光200万戸」の公約破棄、尻すぼみの「神奈川臨調」などの問題があり、その検証が十分でなかったのが残念でした。 
 なお、討論会の様子はネット上の「ユーストリーム」

http://www.ustream.tv/channel/koukai201503201

で公開されている。