2014年10月19日(第2284)号

2284

川崎市の「財政が厳しい」は偽り
――論戦の到達点 上
日本共産党川崎市議団

 9月議会の論戦から日本共産党川崎市議団に、川崎市の財政問題について寄稿してもらいました。

今後10年間の収支不足論を検証する
 福田紀彦市長のもとで、「行財政改革に関する計画」「新たな総合計画」策定方針が示されました。2016、2017年度を計画年度とするもので、2月に出された「川崎市行財政運営に関するプログラム」(案)に続くものです。
 これらの策定方針やその前提となる「中長期の収支推計」では、15年度は194億円の収支不足が見込まれること、しかし、今後大きく市税収入が増加することは見込めないうえ、「少子高齢化のさらなる進行」から、「今後、毎年度200億円程度の収支不足が見込まれ、本市の財政は極めて厳しい状況が続く」としています(今後10年間で1633億円~3941億円の収支不足と試算)。
 そのため、市民サービスについてゼロベースで見直し、「スクラップ・アンド・ビルド」の徹底を図るとしています。これに対しては、市の幹部も、「行革の大きな種は尽きている」と漏らしたと伝えられており、市民負担増の方向性が不可欠とハッパをかけるマスコミも出ています。
 実際、12月議会には、公共施設の利用料・使用料を約1・5倍に値上げする議案が提案される予定です。
 日本共産党は、9月議会の代表質問では、このように突然出てきた「財政厳しさ論」を検証し、その根拠について深めつつ、市民サービス削減は許さない立場で論戦を行いました。

なくせブラック企業!
働くルールを学ぼう
23日から、「よこはまワークルール教室」

 「働くルール」を一緒に学び、人間らしく働ける社会をつくっていきたい―。横浜市を活動拠点とする若手の弁護士や労働組合役員がつくった「なくせブラック企業!よこはまネットワーク」。今月から月1回のペースで「よこはまワークルール教室」を横浜市内で開きます。
 10月3日夜、横浜市の平和と労働会館で、電話の前に座る横浜合同法律事務所の鈴木啓示弁護士と横浜労連の薮治事務局次長の姿がありました。ブラック企業で働く人などの悩みに答える無料の電話相談「夜の労働相談ホットライン」は、この日で5回目。毎月第1金曜日の午後7時から午後9時まで行われています。
 「残業代や休日出勤代が支払われたことがない」「17時以降はお金がつかないなどの契約にサインしろと会社に迫られた」「休暇届を出しても、家族の冠婚葬祭以外は欠勤扱い」…。同ネットワークに寄せられた働く人たちの悲鳴です。
 「多くの人が働くルールを知らずに苦しんでいます」
 こう話すのは、鈴木弁護士です。「ブラック企業が大きな社会問題となっていますが、自分は関係ないと思っている人も少なくありません」といいます。

憲法9条、ノーベル平和賞に選ばれず
実行委決意新たに「来年こそ」

 ノルウェーのノーベル賞委員会は10日、ノーベル平和賞の受賞者を発表しました。有力候補にあがっていた「日本国憲法9条を保持する日本国民」は選ばれませんでした。
 署名運動を広げてきた「『憲法9条にノーベル平和賞を』実行委員会」の共同代表の1人、石垣義昭さん(73)は、記者会見で「安倍内閣の憲法を壊す改憲から憲法を守りきったとき、国民はノーベル平和賞に値するとあらためて認められる」と強調。「みなさんとともに来年こそ受賞を実現し、その喜びを分かち合いたい」と決意を新たにしました。
 平和賞を受賞したのは、パキスタンのマララ・ユスフザイさんら2人です。実行委員の鷹巣(たかす)直美さん(37)は「心からマララさんに拍手と応援の声を届けたい」と祝福。「世界中から戦争がなくなってほしい」との署名を始めた思いや、署名を集めた人たちへの感謝の気持ちを語りました。
 同委員会に送られた署名数は44万2443人分。安倍政権が集団的自衛権行使容認の閣議決定を強行する前後から「急速に広がりました」(石垣さん)。9条の会など護憲団体が大きく貢献しています。
 共同代表の落合正行さん(81)は「全国にある9条の会が大変な力を持っていることを、この運動の中でも知ることができた」と振り返りました。

神奈川青年大集会2014

 5日(日)、神奈川青年大集会2014(主催:同実行委員会)が開かれ、約190人が参加しました。昨年3月に続き2回目の開催です。
 集会では、首都圏青年ユニオンの神部紅事務局次長が「支配と収奪に抗うために」と題して講演しました。
 神部氏は「探せば仕事はある」「働けば食べていける」は“神話”になっていると述べ、過労死、若者の貧困とサラ金依存が広がっていることを告発。使用者と対峙し、職場のなかで交渉できる唯一の組織、労働組合に入って、声をあげようとよびかけました。
 増田あゆみ実行委員長が、青年お仕事実態調査の結果(502人分)を発表。声や要求をまとめて政治や社会を動かす行動に取り組む意義を強調しました。

横浜市
台風18号と危機管理
伝わらなかった
さしせまった情報

 10月6日に関東をも襲った台風18号で、神奈川県内でも大雨などによる、被害が多く発生した。横浜市には防災無線が無く、戸塚区の一部で試験的な運用をしている防災無線に代わるJアラート(全国瞬時警報システム)(※)を除いて、災害時に事前情報を得る手段はインターネットしかない。しかし、台風による差し迫った危険に関する情報はJアラートから流れなかった。あらためて横浜市の危機管理について考えた。