2015年1月18日(第2296)号

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2015春闘ビクトリーマップ
「大企業の内部留保 3兆9000億円増」賃上げ・雇用の改善に

 神奈川県内の大企業が労働者の雇用と賃金を犠牲にして、内部留保(ため込み利益)を積み増ししています。神奈川県労働組合総連合(神奈川労連)が1月にまとめた「国民春闘・神奈川版資料(ビクトリーマップ)」で明らかになりました。 神奈川労連は、春闘で労働条件の改善を勝ち取るために毎年、ビクトリーマップを発表。「かながわ総合政策研究センター・かながわ産業労働調査センター」にマップ作成を委託しています。
 調査したのは、県内に500人以上の労働者が働き、財務諸表の入手可能な大企業113社(昨年比5社減)。財務諸表が非公開となっている外資系の日本IBM、キャタピラー三菱や、実態が公表されていない大手居酒屋チェーン店などは対象外です。

横浜自動車学校不当労働行為事件、組合側勝利解決

 横浜自動車学校(横浜市戸塚区、石渡健一代表取締役)が県自動車教習所労働組合の同学校支部(小林雅人支部長)に不当労働行為を行っていた事件で、同社が中央労働委員会(中労委)の救済命令に従って今後、不当労働行為を「繰り返さない」との文書(6日付)を同校支部に交付したことが17日までに分かりました。2010年6月から約4年半に及んだ同事件が組合側の勝利解決という形で決着することになりました。

「生きている火山」
 箱根山の噴火予知、防災計画は?

年間2000万人が訪れる観光地
充実した予知体制と避難計画早急に

 年間2000万人が訪れる国際的な観光地箱根。箱根山は神奈川県内では唯一の活火山。地元の箱根町が中心となり14年夏から火山防災協議会で水蒸気爆発を想定した避難計画づくりがはじまっています。しかし、箱根山は山頂付近に日常生活の場があり、気軽に訪れることができる観光地だけに活火山との認識はあまり広がっていません。今のところ異常はみられませんが、「生きている火山」と県民がどう向き合っていけばいいのか、探ってみました。

米軍厚木ヘリ
三浦墜落事故から
1年の教訓
(上)

送検されず、沖縄の事例より後退

民間人が被害者、米軍が加害者

 三浦市城ケ島付近に米海軍厚木基地のヘリが墜落した事故から1年がたった。2004年の沖縄国際大での事故以来、日米の事故対処「ガイドライン」が「整備」されて、はじめて適用された「事故」であった。この三浦ヘリ墜落事故は米軍機墜落事故に関する日米の対応の画期をなす重要な事件であることは間違いない。
 ここで日本国民の生命と財産、知る権利と主権を守る立場からその教訓をあらためて明らかにし、事故後の一年間の日米の対応を振り返ることは重要だ。
 事故は日米相互にとってないほうがよい。しかし発生してしまった場合に、明確なことがある。必ず日本の民間人の被害者がでるということであり、必ず米国軍が加害者になり、その「地位」は日米地位協定によって特権的に保護されているということは戦後一貫して変わらない。