2014年12月7日(第2291)号

2291

[対談]アベノミクスの実態を問う「神奈川から国会に届けたいもの」

 国民各層のたたかいが安倍政権を追いつめ、解散・総選挙となりました。安倍晋三首相は自ら「アベノミクス解散」といって、政権に都合のいいものだけをとりあげ、争点隠しをしています。経済のことをいうなら、まず、働く者の暮らしがどうなっているか明らかにするべきでしょう。選挙を目前にして、日本共産党の、はたの君枝衆院南関東ブロック比例候補と福田裕行神奈川労連議長に神奈川から国会に届けたいものについて話し合ってもらいました。

「放射性物質はどこまで」横須賀から3800個を飛ばす

 「ノーニュークス イエスピース」―。米原子力空母ジョージ・ワシントン(GW、原子炉2基)が配備されている米海軍横須賀基地(横須賀市)近くの公園で11月23日、黒や黄色の風船3800個が掛け声とともに青空に舞い上がりました。福島第1原発1号機と同規模の原子炉を積むGWで原子炉事故が起きたとき、放射性物質はどこまで飛散するのかを調べる「風船プロジェクト」です。

神奈川小選挙区 公開討論会
「自共対決」鮮明に
消費税10%増税17年4月に―自民
対決の足場がない―民主・「第三極」

 総選挙公示を前に、青年会議所が、神奈川県内の5つの選挙区で、公開討論会(11月27日から30日)を開きました。各候補の訴えから見えてきたものは―。

●自民・暴走政治推進

 自民党の各候補は、安倍政権の暴走政治を進める姿勢をあらわにしました。
 貧困と格差を広げた「アベノミクス」については、「景気回復のためには、この道しかない」(山本朋広4区候補)と推進する立場を繰り返し強調しました。
 低所得者ほど負担が重い消費税について、「17年4月には(10%に)上げさせていただく」(星野剛士12区候補)と宣言。民意を切り捨てる国会議員定数削減への意欲を示し、比例代表の定数は「すべてなくて良いと思っている」(同)と話しました。
 他国のために海外で武力の行使を行う集団的自衛権の行使容認について「賛成です」(赤間二郎14区候補)と表明し、原発については「なくせ、廃止だという話ではない」(同)と原発ゼロの願いに背を向けました。

●民主・批判すれば自分に

 一方、民主党は、暴走政治と対決する足場がないことが浮き彫りになりました。
 「消費税増税自体には反対ではない」「消費増税は避けて通れない」(本村賢太郎14区候補)と主張。原発については、「将来、どこかでゼロにするという確約を前提に再稼動していく」(後藤祐一16区候補)などと条件付で再稼動を容認する立場でした。集団的自衛権行使については「論理的にはありえないことはない」(同)と語り、否定しませんでした。
 農業や医療などを破壊する環太平洋連携協定(TPP)については「スタートが間違っている。国民に知らされない秘密裏の交渉だ」(阿部知子12区候補)と批判しました。しかし、TPP推進を最初に打ち出し、推進してきたのは、民主党政権であり、批判はブーメランのように跳ね返ってきます。
 また、〝身を切るべきだ〟といいながら、国民の税金を共産党以外の政党が山分けする政党助成金については、「きれいなお金だ」(16区候補)と開き直る始末でした。

●「第三極」・安倍政権の補完勢力

 「第三極」とされた政党はどうか―。次世代の党は、中本太衛14区候補が「すぐに原発を廃棄するというものではない」「集団的自衛権の行使を行うことは賛成」「憲法『改正』は必ずすべき」と述べるなど、安倍政権の補完勢力の姿を鮮明にしました。
 解党したみんなの党の代表を務めた浅尾慶一郎4区候補は「消費税増税の凍結は当然だ」と述べるにとどまりました。

 ●共産党・対案示す

 こうしたなかで、日本共産党は、「消費税10%はきっぱり中止を」(味村こうたろう12区候補)と訴え、社会保障財源の確保も、財政再建も、〝消費税に頼らない別の道〟を提示しました。
 また、「原発事故はいったん起きれば収拾がつかない。原発はきっぱりやめるべきだ」(中野渡じゅん14区候補)、「憲法違反の集団的自衛権行使容認の『閣議決定』は直ちに撤回を」(かとう勝広4区候補)と表明。「原発即時ゼロ提言」「北東アジア平和協力構想」など抜本的対案を示しました。
 どの問題でも安倍暴走政治と正面から対決し、転換を求めているのは、共産党だけです。「自共対決」の構図が鮮明になりました。